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受講生・施設からの声

今津赤十字病院
シリーズ:新人看護師実地指導者研修(6/12、9/25、10/16 各9:00~16:00)

平成22年6月12日(土)第1回目

日本看護キャリア開発センターから、下山先生・江藤先生をお招きしての第1回目の新人看護師実地指導者研修でした。
グループワークで新人指導の現状を語り合いながらの研修でした。
「脳から汗が出た…」との感想が出るくらいに考え・語る研修でした。
受講者からは、自分の経験を理論的に振り返りながらの学習で、「学んだあ」という実感があった、もっと早くに勉強していればよかった、理論は苦手と思っていたけどわかりやすく教えてもらってよかったなどの反応がありました。
また、グループワークは苦手だけど人前で話す事も学びになる。
苦手を克服する機会になるので今後も頑張りたい等のポジティブなフィードバックをしてくれた受講生もいた。
印象的だったのは・・新人看護師像についてのワークで、新人をキラキラした存在ととらえているグループがあったことです。
どうしても、新人を指導する際に、看護専門職として評価してしまうので出来てない部分に着目しがちですが、新人の素敵なところを見てくれている先輩・指導者であることに、こちらの心が洗われ、暖かい気持ちになりました。
新人の指導・実地指導者の支援に日々奔走している教育委員にとってはホッとしたひとコマでした。(記:教育委員長)

新人看護師ってどんな存在?

平成22年9月25日(土)第2回目

お二人の先生をお招きして第2回目の研修でした。先生方とも顔なじみになり、和やかな雰囲気で研修が始まりました。
今日のテーマは、メンタルサポートに活かすための基礎知識の習得です。ストレスやカウンセリング・コーチングについて学びます。

まず、はじめに 「自分たちのストレス」について考えてみました。「自分が看護師を続ける上でストレスになったこと」を2~3人で話し合ってみました。
「ストレスの原因→その時の状態→対処方法→対処が効果的であったか」を考えてみました。

グループごとに発表し、こんな感じでまとまりました。 (右記写真)
コミュニケーションや夜勤そのものがストレスの原因になり、しかし、「同僚や上司と話すことで解決が出来ていた」や「とりあえず夜勤に来て、時間の流れに任せてストレスを対処した」などの意見でしたが、みんな同じようなことがストレスの原因になっているようでした。

自分たちの事を考えた後、江藤先生からストレスについての講義を受けました。
ラザルスのストレスコーピング理論やABCD理論(論理療法)などについて学習しました。
また、コミュニケーションのプロセスについても学習し、コミュニケーションは障害だらけであることを学び、伝わっているつもりで関わる事の困難さを実感したりもしました。

理論を学んだ後、再度グループワークです。
ラザルスの理論を活用して自分のコーピング行動を振り返り、私は情動中心コーピングだったとか、問題中心コーピングだったとか自身の振り返りが出来ました。
大切な事は、よく聞くこと、相手の感情の動きに気づく事、感情はキャンデイである。
包み紙に包まれているので、キャンデイそのものを知ることが大事・・・・という事を学びました。
講義で、理解しにくかったことを再度確認!先生方にしっかりと入ってもらいました。
午後からは、コーチングについての学習です。コーチングの流れやスキルについて学習しました。
傾聴・承認などのスキルを学び、相手に伝える3つの立場について演習を行いました。
メンバー間でメッセージを伝えましたがこれが常に実践できるとストレスも無くなり良いコミュニケーションが図れるな!と実感しました。

次は、質問のスキルについてです。
患者の転倒の報告が出来ていなかった新人に対して、どのように質問し関わっていくか、ロールプレイを行いました。
それぞれ、シナリオをつくり、綿密な演技の打ち合わせののち、アドリブを加えながら迫真の演技でした。
どのペアも傾聴したり、承認したり相手の感情の動きを気にしながら、いいコーチングが出来ていました。

急遽、看護部からナイスコーチング賞を贈呈する事になりました。
小道具のジュースを使い、相手を気遣いながら、関わる姿に好感がもてた事が受賞理由です。
その後、今日の学習を振り返り、全体で共有して研修が終了です。
みんな、いきいきとすっきりした表情で熱かった夏の疲れがスーッと取れた一日でした。

最後に、この研修を深めるために、レポートの宿題を出しました。
レポートをまとめるスキルの学習も含めているので、今回は大変かもしれませんが、満足のいくレポートがまとまることを楽しみにしています。
そして、最後に・・・・・
皆さんは、まじめに学習されましたね。・・・・YOUメッセージ
皆さんが楽しそうに学習され企画した甲斐を感じ、私は嬉しく思いました・・・Iメッセージ
皆さんが今回の研修の成果を部署で活用されると期待でき、看護部にとって大きな財産であると思います・・・・WEメッセージ
(記:教育担当 原田紀美枝)

平成22年10月16日(土)第3回目

いよいよ、新人指導者研修も3回目、最終の研修となりました。
今回は、受講メンバーが少し変わり、記録委員さんも参加しています。
やや、緊張の中でのスタートとなりました。
この研修は、受け身の研修ではなく、「成人学習者として主体的に自分たちが学びたいと思ったことを学習していきましょう」と課題をいただきました。
主体的にと言えば…ある意味、受講者の「意思を尊重」していただき、自由で楽しく学べそうではあります。
しかし「何を」「どのように」と考えるとなかなか難しいことなのです。
研修担当者として、プレッシャーを感じました。

そして、午前中のメニューは、「老年看護のおもしろさを語ろう!」というテーマでのグループワークです。
普段、仕事をする中で看護業務の打ち合わせや引き継ぎなどはたくさんしていますが、自分の 老人看護へのこだわりよろこび・おもしろさなど語り合う時間をなかなか持つことができていません。
たっぷり3時間、老年看護のおもしろさについて語り合うことになりました。
受講メンバーの表情を見ると、「今日は記録の研修だよね」「3時間も何を話せばいいの」「私たち今日はどうなるの…」と訴えているのがわかるほど不安な表情をしていました。
研修担当者も同様、「大丈夫かなあ」という不安の中、メンバーの力を信じながら、上手くいかなかったときは、間違いなく下山先生と江藤先生がどうにかしてくださるだろうという思いの中で会場を後にしました。
そして・・・研修担当者もオブザーバーとして参加していた師長たち・先生方と、時間がたりないと感じるほど看護のおもしろさを語り合いました。
「メンバーも我々のように自由に話ができていたらいいね」という願いの中で・・・・。

さて、受講メンバーは・・・・スタート時の緊迫した表情から、笑顔には変わっていましたがまだまだ重苦しい雰囲気!!
しかし、皆さんさすがです。看護について語る中で、だんだん話に広がりがなくなり、これでいいのという不安があったので、メンバー構成を変更して話を広げていったそうです。
そして、午後からはみんなで語り合った自分たちのこだわりの老人看護を、看護理論を用いて考え、自分の看護観を明確にしていくためグループワークを行うことになりました。
主体的学習者として、午前中だけでこれらの2つの成果が上がりました。
ランチタイムには、午後をどのように進めるかを話し合い、自分たちのこだわりの看護をKJ法で分類してみることになりました。
必要な用具も自分たちで揃え、さらにさらに主体的に進行できていました。

<午後の研修>2グループに分かれてグループワーク開始です。

グループメンバーそれぞれの個性がきらきら光りながら、分析が進み、いよいよ今日の研修の核心に近づいてきました。

<受講者の感想>

自分たちの老人看護のこだわりを、マズローの人間欲求の段階説をもとに、患者の視点、看護師の視点で分類。
患者のニードは、生理的欲求などは多く上がってきていたが、自己実現や所属と愛のニードはあまりあがっていなかったことから、加齢により訴えが少ない、捉えにくいという特徴から身体症状に目がいきやすくなっている。
患者のその人らしさを捉えきれていないことがわかった。
また、看護師の視点では、生理的ニードが少なく自分たちのことはさておき患者さんという思考が強いことに気づけた。

<研修担当者として>

とにかく、皆さんの成果に感動しました。すばらしい!の一言に尽きます。午前中の不安が一気に吹き飛びました。
皆さんのプレゼンテーションを聞きながら、老人看護は高齢者の思いを察すること・汲み取ることが重要で、人生の最後までその人らしさを保証しつつそして家族も高齢者の人生の終結に満 足できるように関わることが大切であると思います。
今日の研修で、改めてこんな看護がしたかったんだと思い、老年看護の醍醐味をみんなと語り合いたいとも感じました。

最後に、先生方と記念撮影です。
すっきりとした、明るい表情でみんなからパワーを…元気をいただきました。
看護師は、24時間・365日患者さんのベッドサイドでケアを行います。
看護師・看護職員が元気であることはとても大切なことだと思います。
これからも、元気になる看護の研修を企画していきたいと思います。
そして、3回の研修会の講師をお引き受けいただいた、NPO法人日本看護キャリア開発センターの下山先生・江藤先生には色々アドバイスをいただいたり、コーチングしていただいたりでお二人のご支援がなければ今日のこの感動は味わえませんでした。
知識を得る研修はたくさんありますが、感動して元気になる看護の研修には、なかなか出会えません。
また、企画します。皆さんもぜひご参加ください。お待ちしています。

勤務として研修参加時間を確保するために、多くのスタッフに参加していただくことができませんでしたので、今日の学びと感動、そしてここで得たパワーを皆さんにも送ります!(記:教育委員会 原田 紀美枝)

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